アパート・マンションや駐車場、ホテルなど、不動産投資にはさまざまな種類があります。ここでは、マンションや駐車場、ホテルの3つの不動産投資について、メリットやリスクを比較してご紹介します。

マンション／アパート一棟

マンション・アパート一棟投資は、マンションやアパートを一棟所有して賃料収入を得る不動産投資の方法です。安定した賃料収入を得たい方や、相続税対策を検討中の方に適した投資方法といえます。利回りは物件によるものの、新築物件はプレミアム（新築プレミアム）が付くため利回りが高く、築年数が増えると低くなる傾向があります。

マンション／アパート一棟投資は、土地の購入費や建物の建築費用がかかります。初期費用は立地や建物の規模によるものの、数億円必要になる場合もあります。そのため、金融機関の融資を利用するケースが一般的です。

マンション／アパート一棟のメリット

マンション／アパート一棟は以下のメリットがあります。

• 安定した賃料収入が期待できる
• 不動産の資産価値が高い
• 相続税対策になる
• 社宅として活用すれば福利厚生を拡充できる（法人の場合）

安定した賃料が期待できるほか、不動産の資産価値も高めです。不動産は相続税評価額が実勢価格より低くなりやすいため、相続税対策としても効果的です。

法人の場合、マンションやアパートを社宅として活用することもできます。他の物件を借りる必要がないため、コストを抑えられる可能性もあります。

マンション／アパート一棟のリスク

一方、マンション／アパート一棟投資は以下のリスクがあります。

• 空室による収益性低下
• 建物の維持管理の手間とコスト
• 高額な初期投資額

空室が発生した場合は収益性が下がる一方、建物の維持管理の手間やコストがかかります。また初期費用が高額になりやすいため、資金面での余力が求められます。

駐車場

駐車場投資は、コインパーキングや月極駐車場を経営し、駐車料金を得る不動産投資の方法です。活用方法が決まっていない土地をお持ちの方や、一時的な土地活用を検討中の方に適しています。

駐車場投資は、他の不動産投資と比較して収益性が低い一方、少ない初期投資額で始められます。そのため、資金が限られる場合も検討の価値がある投資方法といえます。

駐車場投資のメリット

駐車場投資のメリットは次のとおりです。

• 初期投資額が少なくて済む
• 維持管理の手間が少ない
• 狭小地・変形敷地を活用できる
• 従業員専用駐車場として活用できる（法人の場合）

駐車場投資は少ない資金で始められるほか、維持管理の手間もほとんどかかりません。狭小地や変形敷地など、建物の建築に向かない時でも始められます。

法人であれば、従業員専用駐車場として活用することも可能です。また、一部をコインパーキングや月極駐車場として貸し出せば、従業員用の駐車場を確保しながら収益も得られます。

駐車場投資のリスク

一方、駐車場投資には下記のデメリットがあります。

• 収益性が低い
• 税制上の軽減措置がない
• 立地によっては競合が多くなる

駐車場は収益性が低く、固定資産税・都市計画税などの税制上の軽減措置を受けられません。また、周辺に同様の駐車場がある場合、競合が発生する可能性もあります。

ホテル

ホテル投資は、ホテルを建設または購入し、運営・賃貸する不動産投資の方法です。以下に当てはまる方に適した投資方法といえます。

• 観光業に興味がある方
• 観光業への参入を検討中の方
• マンションや駐車場とは異なる投資方法を探している方

ホテル投資の収益性は立地に左右されやすいものの、観光地やリゾート地に建設できれば収益性を高められます。主に観光客や訪日客を対象とするため、マンションや駐車場とは異なるニーズを取り込めるのも特徴です。

ホテル投資のメリット

ホテル投資のメリットは以下のとおりです。

• 高い収益力が期待できる
• 地域の観光産業に貢献できる
• 従業員の保養所として利用できる（法人の場合）
• ブランディングや販促活動に利用できる（法人の場合）

ホテルの立地によっては高い収益力が期待できるほか、地域の観光業や経済の活性化に貢献可能です。法人の場合、従業員の保養所としても利用できるため、福利厚生の拡充にも寄与します。また、ホテルを軸にしたブランディングや販促など、企業活動への活用も可能です。

ホテル投資のリスク

一方、ホテル投資のリスクは次のとおりです。

• 観光需要や景気の影響を受ける
• 初期投資額が大きくなりやすい

ホテルは観光需要や景気の影響を受けやすいため、時期によっては収益性が下がる場合があります。初期投資額も大きくなりやすいため、資金面の余力も必要です。ただ、ホテルコンドミニアムなど初期費用を抑えられる手法もあるため、資金力に応じた投資方法を選択できます。

適した不動産投資の方法はケースにより異なる

不動産投資は、投資対象によってメリットとリスクが大きく変わります。必要な資金や税制面の優遇なども異なるため、違いをしっかり比較したうえで選ぶことが大切です。